東京電力再建へ実質国有化という見出しが躍ります。
あえて問題提起致します。
民営化!効率化!と叫ぶ人が多い。
民間では考えられない!などと官を批判する人は多い。
果たしてそうでしょうか?
闇雲に信じない方がよいと思います。
誤解が生じないように申し上げますと、郵政民営化は賛成です。
むしろ信書を民間事業者に禁じるようなことをやめて、市場を解放すべきだと考えます。ヤマトいじめは共感できません。
何故郵政民営化は賛成で、民営化全般には疑問を持っているかというと、安全性の確保が大切だと考える点と破綻した時の効率の悪さが顕著な点の2点を挙げます。
例えば、電力、水などライフラインに関わる事はコンセッション方式にスべきだと考えます。
東電の件で明らかになったのは、有事の情報統制が杜撰であった事、寡占状態におけるばらまき経営が行なわれていた事は「官では考えられない!」からです。
海外では再公営化の動きが盛んです。民営化失敗例は全体の1/3にも及びます。例えばイギリスでは1989年サッチャー政権下で上下水道の完全民営化を実施しました。10社設立されましたが相次いで破綻しました。最大のテムズウォーターは海外事業での採算が採れずにマッコーリ銀行に売却されました。
また電力に関しては同様に民営化が行われましたが、強制プール制では長い間価格が低下しなかった経緯があります。その後改訂され寡占状態は無くなりましたが、ドイツ、フランス、スペインからの参入によりイギリスの企業のシェアが低下しました。
アメリカではカリフォルニアの大規模停電の記憶はまだ新しいと思います。
問題の核心は、消費者にコストを知らされないで配電会社にコストリスクを押し付けたままでの自由化では、価格競争に負けた時に安全性の確保ができなくなります。
アルゼンチンにおいても2002年の金融危機により一時的に撤退しました。
マレーシア、フィリピン、ボリビアでも同様な事態が発生しました。
ではどうすればよいか?
完全民営化ではなくコンセッションがよいと思います。
つまり資産は行政が保有します。オペレーションは民間委託を進めるのです。
民間委託により雇用が減る受け皿を海外への運営管理/指導要員として確保もできます。価格の低下は図れます。雇用の確保もできます。最低入札価格は実勢を見て行政が都度設定する事で、安全性に関わる費用削減を行なわなくて済みます。
100兆円/年にものぼる水市場が間もなく始まります。日本の優れたオペレーションを海外輸出すれば10兆円規模の外貨獲得も夢ではありません。