◆昨年末に開催された、ダーバンのCOP17に日本政府代表団の一員として参加した中村浩平氏(外務省国際協力局気候変動課・気候変動交渉官)の「国連気候変動枠組条約締約国会議(ダーバンCOP17)に参加して」という小論文をたまたま、読みました。
◆その中で、同氏は次のように書いています。
・COP17では、京都議定書に替わる新たな法的枠組みを作ることに合意したと同時に、その体制への移行を2020年まで「先送り」することにも合意した。
・従って、温暖化対策の観点からは京都議定書で削減義務を課されない85%の国々が2020年までにどういう取組みをするかに注目する必要がある。
・日本政府はこれまで、京都議定書第1約束期間(2008年~2012年)終了後、直ちに新たな法的枠組みに移行するのが現実的でない以上、2013年以降は3割弱かそれ以下しかカバーしない京都議定書第2約束期間より、8割以上をカバーする2010年のカンクン合意を基礎として体制を強化し、できるだけ早い時期に新たな法的枠組みに移行する方が公平であり効果的であると訴えてきた。
・この我が国の主張との関係では、新たな法的枠組みへの移行が2020年以降とされた今回の決定が持つ意味は非常に重い。
・日本が利己的な動機ではなく、地球益に立ってこのような主張をしてきたことを証明するためには、2013年から2020年までの8年間、日本は米中印を始めとする主要国とともに実効的な気候変動対策をとるべく、自らが率先して範を示しつつ、積極的に働きかけていかねばならない。
・国際社会のリーダーの一員として日本が果たすべき責任は重い。
◆国際交渉に直接従事した当事者ならでは、の意見と感想で、たいへん興味深い内容です。
◆私が取り組んでいる「中小企業への省エネ支援」は、気候変動問題とは、ややニュアンスが異なりますが、日本の責任と役割という意味では、共通の課題、と思います。
◆近年、私も、中国やアジア各国に出向いて省エネの支援活動を行なう機会が少しずつ多くなりましたが、どこの国でも異口同音に要望されるのが、省エネの知見の伝承です。
◆3年ほど前に、上海の省エネセンター(節能協会)に招かれて講演したときも、終わって会食した要人から、
「省エネ設備は、高級志向の日本製品ではなく、世界中から安くて中国のニーズに合ったモノをいくらでも調達できます。
日本に期待しているのは、モノではなく、省エネエキスパートによる現場指導だけです」と、ずばり、指摘され、鼻白んだことがありました。
◆しかし、この指摘は的を得ているのかなと、考え直したことでした。
◆国際社会のなかで、日本の存在感がますます低下していると言われていますが、日本企業の省エネの経験と運用改善のノウハウは、他国にとって魅力です。
◆これは、世界に開示すべき「国際公共財」として、私たちの税金で途上国に無償提供することも日本の国際貢献でしょう。
◆同時に、輸出競争力のある「無体財産」として、ビジネス化すべき価値ある「商材」です。
◆このサイバーエコタウンの常連ブロガーの「shouenekozo(省エネ小僧)」さんのような、筋がね入りの省エネ専門家が、どしどし、アジア各国に省エネ支援に出かけてくれると、いいですね。